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[SHOP INTERVIEW] せともののまち瀬戸と繋がり栄えた 文化とともに伝え商う、生き字引。 『松川屋道具店』店主 斉木弘さん     めまぐるしく移ろい変わるテナントビルやチェーン店とは違い、その街に根を下ろし、地域との交流を重ねながら商いを継いでいく、そんなお店が多く集まるのが、「商店街」。個性数多な店が軒を連ねる中には、たいてい“語り部”と呼ばれるような名物店主がいるものだ。   金刀比羅神社の赤い鳥居の正面、「新古 美術 松川屋」と書かれた風格ある看板のもと、さまざまな生活雑貨や古道具が並ぶ『松川屋道具店』。夏が近づけば、「チロロロ、チリン、チリーン」と風鈴の涼やかなハーモニーが、行き交う人の耳を和ませる。 その前ではたきを手にいつもにこやかに挨拶してくれるのが、店主の斉木さん。せとものの蚊遣りや茶道具などに興味を示して立ち止まる外国人にも積極的に話しかけ、使い方までレクチャーしてくれる。     「日本でも最近は自宅に畳の部屋がなかったり、蚊取り線香を自宅で使う人も少なくなってきましたでねえ。かえって外国の方のほうが、茶道や古道具に関心があったり、詳しい人も多かったりするほど。昔は掛け軸もよく売れたけれど、マンションなど床の間ある家も減ってきたでしょう。せめて軒先に風鈴を吊るしたり、団扇や扇子などで日本の季節の風情を楽しんでもらえたらいいなと思って飾ってるんです」。   店先には誰もが手に取り買いやすい生活雑貨や季節用品が並ぶが、一歩店に足を踏み入れると、曲げわっぱの弁当箱、その奥には蒔絵の塗り物、水指しや建水、抹茶茶盌といった本格的な茶道具もちらほら。愛知県のやきものの街・瀬戸でつくられた織部や黄瀬戸などの和食器がケースの中に鎮座するなど、意外な掘り出し物が見つかりそう。     「ほら、これはね、名古屋に志野流香道のお家元・蜂谷家があるのですが、江戸時代に使われていた唐物の香炉ですよ。うちの初代は明治初期に西区伝馬町(現中区錦1丁目)の方で和菓子屋を営んでいたのですが、戦争で焼け出され、昭和25年(1950)にこちらに家を建てて移り住んできました。先代は松尾流のお家元に私淑し、茶道具にも凝っていたので、そうしたものや生活用品を売りながら生計を立ててきたそうです。 私も昔はそれこそ気がおかしくなるぐらい(笑)やきもののことも熱心に勉強したもので、たくさん手持ちもありましたよ。今はそれほど本格的なものを求めるお客様は少なくて、おうちでさっとお茶を点てて飲む程度。それでも親しんでもらえるのは嬉しいことです」と語る斉木さん。   円頓寺商店街の北側を走る外堀通り沿いの “お堀”には、かつて電車の終着駅があった。瀬戸でつくられた「せともの」は、この“お堀電車”に運ばれ、堀川から船に積み替えられ、名古屋港へ。そこから日本中へ、さらに海外にも盛んに輸出され、広まっていったという歴史があり、堀川端に隣接する円頓寺・四間道界隈も、おおいに賑わったと聞く。   「近年は、この界隈も空き家対策や四間道が注目されるなど、かつての活気が戻りつつあり、嬉しかったですよ。生活が変化すれば、売れるものも当然変わってくる。昔と同じようにやっとっては商売は続きません。うちも外国人向きな商品を置くのではなく、日本人も含めて“日本の文化”をできるだけ理解して買ってもらえるように、いわれや使い方もお伝えできたらと思っています」。
News店舗からのお知らせ
2020.11.26 【松川屋】干支の商品入荷しました
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